後半開始早々、その言葉を証明するように平塚学園が再び試合を引き寄せる。41分、ゴール前の混戦を今出が見逃さず、左足で振り抜いたシュートがゴールに突き刺さった。

 「後半開始からガツガツ行こうって話をしていた。あそこでシュートを振るっていう選択肢が持てたのは良かった」と今出。迷いのない決断が、勝負を決めた。

 「本来ならボールを繋いで理想の形を作りたいけど、相手もやらせてくれない。だけど最後はゴールを奪うっていう本質を忘れずにやれた」。試合後の平塚学園の井原監督の言葉には、この一戦の真髄が滲んでいた。守備の局面でバラバラにならず、全員で耐えて、奪ったら迷わず仕掛ける。シンプルで力強いサッカー。それを最後まで貫いた。

 一方、横浜商大高も簡単には屈しなかった。44分、平塚学園がゴール前で怒涛の攻撃を仕掛けるが、横浜商大高のMF6中村遥斗の粘り強い守備と、GK1濱田優人の声がチームを支え、追加点を許さない。

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▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選
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