一方、平塚学園の井原監督は、次戦で関東大会チャンピオンの法政二高との激突を控えながらも、「負けるつもりはない。自分たちがやれることをしっかりやっていきたい」と語る。相手がどれだけ格上でも、準備を怠らない。そんな誇りと野心がこのチームにはあった。

 この日の80分間は、ピッチ上に立つ全員が、自分たちのサッカーを信じ、体現しようとする熱気に満ちていた。

 勝利を掴んだ平塚学園、敗れても胸を張る横浜商大高。トーナメントの過酷さと、それを乗り越えようとする高校生たちのひたむきさ。その小さな活躍の積み重ねが、彼らのサッカーを鮮やかに照らした。

(文・写真=西山和広)

▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選
令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選