さらに100+1分、山田が相手の隙を突いて再びゴールを奪う。ペナルティエリア前の浮き球がルーズにこぼれた瞬間、迷わず身体を入れ替えてボールを自分の前に置くと、得意のドリブルで相手を置き去りにして、そのまま左足で流し込んだ。

 「自分の武器はスピード。迷いなくドリブルで仕掛けた」と山田。怪我で苦しんだ日々を乗り越え、途中出場から結果を残すことへの執念が、その一瞬に宿っていた。

 「ロッカーで喜んで、ロッカーを出ていく時には次の準決勝のことを考えられる、そういうスタンスでやっていこう」。鈴木監督は試合後、ロッカーで選手たちにそう語ったという。次週には、市立橘との準決勝が控える。勝利を喜んだのは束の間、桐光学園はすぐに次の戦いへ視線を切り替えた。

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▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選
令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選