キャプテンのFW10倉持慶太(桐光学園)はゴール直後に大の字に寝転び両手の人差し指を空に突き上げた

 結局、時計の針が80分を過ぎてもネットは揺れず、試合は延長戦へ。

「延長PKまで覚悟していたけれど、どこかで相手の隙が出てくると思っていた」。鈴木監督のこの読みが現実になる。迎えた95分、桐光学園MF14山田留偉が右サイドを鋭く突破すると、ゴール前に正確なクロスを送る。待ち構えていたのは倉持。練習から磨き上げてきたというニアから逃げる動きで完全にフリーとなり、頭で合わせネットを揺らした。

「最後のクロスにだけ目を覚ました」と指揮官は冗談めかして笑ったが、厳しい試合で決めるのがストライカーの仕事だ。ゴール直後にその場で大の字に寝転び両手の人差し指を空に突き上げたその姿は、延長戦で苦しむチームにとって希望そのものだった。

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▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選
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