さらに37分、左サイドからMF7西田元輝が角度のないところから迷わずシュート。「トップの陸翔(FW16片岡)が競り勝ってくれた。ボールを運んで、角度はなかったけど振ったら入った」。ニア上を狙った渾身の一撃は、キーパーに当たってゴールへ。前半を1点のリードで折り返した横浜商大高のベンチでは、玉木が声を上げた。「次の1点が大事だぞ」。
その言葉に応えるように、MF20清水大翔がゴールネットを揺らす。夏を越えて「点が入らないチーム」だった横浜商大高が、3得点。積み重ねてきたものが、確かに実を結んでいた。
しかし58分、平塚学園が左サイドからのCKをDF20中田快が頭で合わせ1点を返す。ここから平塚学園の怒涛の反撃が始まった。67分のCKのこぼれ球、直後のゴール前の混戦。何度も何度も、ゴールが脅かされた。声出し応援禁止のスタンドからは、ピンチをクリアするたびに拍手だけが響く。その一つ一つの音が、選手たちの背中を押した。
▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選

