横浜商大高 vs 大和

「前半は蹴り合いになって苦しかった」と左サイドで躍動したMF20清水大翔。ハーフタイム、チームは気合を入れ直す。「もっとみんなで声出して全力でやりきる」。その言葉通り、後半の横浜商大高は明らかに変わっていた。

 43分、鈴木が右サイドからの際どいFKを放つと、48分にはFW16片岡陸翔とのワンツーから鈴木がゴール前に抜け出す。いずれも得点には繋がらなかったが、横浜商大高ペースで迎えた57分、試合が動く。自陣からDF17川之江豪が相手の背後へロングフィードを送ると、スピード豊かに抜け出したFW9荒川翔が冷静に流し込み、横浜商大高が先制。

「翔君が裏を狙ってるのが見えた」と川之江。「普段はバタバタしちゃうけど、昨日の練習で、ゴール前でもっと落ち着けって監督に言われて」と荒川。その一瞬の冷静さが、試合を決めた。「平塚学園戦は何もできてなかった。今回は自分がチームを勝たせてやるって思った」。荒川の言葉に決意が滲んだ。

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▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
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