振り出しに戻したい大和は最後まで必死の猛攻を続ける。しかし横浜商大高はキャプテンの玉木を中心に全員で守り抜く。終了間際、足を攣って倒れる選手が続出する中、必死に1点を守り切った。

「絶対失点しない。失点したら終わると思ってた」とキャプテン玉木。彼の言葉は静かだが、強い。「元石川の子たちも平塚学園の子たちも自分たちに負けてて、その子たちの分も戦わなきゃいけない。今日は保護者も野球部も友達も来てくれて、そういう人たちの分も背負って戦う。背負うものが多いと責任も大きくなる。プレー1個1個、適当にやってたら申し訳ない」

　安達監督も選手たちの成長を実感していた。「平塚学園さんの分まで、元石川さんの分までっていう言葉が、練習後に玉木からも自然に出ていた。ホントたくましくなった」。選手権前にフォーメーションを4-4-2に変更し、短い準備期間でチームを作り上げてきた。「リーグ戦では焦って中しか行けなかったが、幅を使いながら、中が閉まったら外。多彩な攻撃ができたと思います」

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