「総力戦でしたね」と村井監督が総括するこの一戦。「やりたいサッカーとは少しずれちゃったかもしれないですけど、選手たちが戦い方決めて、それで判断して戦ってくれた」ように、美しさよりも勝利への執念を選んだ都立足立西。「面白いサッカーじゃなかったかもしれないけど、みんなで全員で1つの気持ち持って勝ち切った」と三浦が語る言葉に、チームの結束力が表れている。

　夏の終わり、ようやく掴んだ1回戦突破。「長いこと1回戦で勝ててなかったんで、1回戦突破できたのはすごい嬉しい」と川内が語るように、この勝利はただの1勝以上の意味を持つ。「次がおそらくかなりの強豪になると思います」と村井監督が見据える次戦へ向け、都立足立西の夏はまだ終わらない。泥臭く、必死に、そして誇り高く。彼らの戦いは続いていく。 

(文・写真＝西山和広）