3-4-2-1のトップ下で先発起用されたMF8猪飼は1年生。豊富な運動量と小気味よいパス。気の利いたプレーが印象に残った。それを証明するように背番号8番を託されている。さぞプレッシャーがかかるだろうと想像するが、そうではなさそうだ。

「7番(MF7山本)がドリブラーで9番(FW9吉岡)はキャプテン。そのあいだに挟まれて、多少、責任を感じますが、信じてくれている山崎(翔太)監督の期待に応えるように結果を残そうと思ってプレーしています」とモチベーションに変えている。MF8猪飼同様、7点目を決めたFW13三矢、技術の高さを見せたボランチのMF6松本光樹も1年生。今後、彼ら1年生の活躍に期待できそうだ。

 一方、敗れた武蔵野。一般的に前半、大量失点すると後半、さらに複数失点を重ねることが多いが、後半アディショナルタイムの1失点に抑えた。武蔵野は本来、やりたかった前線からの守備が後半からできるようになったことが大きい。加えて武蔵野の1年生守護神GK17稲垣日菜太が諦めずに味方を鼓舞し続けたことにも触れておきたい。

(文・写真=佐藤亮太)

▽第104回全国高校サッカー選手権東京予選
第104回全国高校サッカー選手権東京予選