43分、中大杉並はCKからゴール前で決定的な混戦を演出したが、豊南のGK12二川聖が身体を張って凌いだ。飲水タイムの直後には、中大杉並の選手から「取り返すぞ!」という鼓舞する声が響く。その言葉通り、63分には右からのロングスローをクリアしたボールをMF13金井恒麿がダイレクトボレーで狙ったが、わずかに枠を上回った。
「前半は流れが良かったけど、やっぱりピンチなところがあって、そこの切り替えが遅くなったりしました」と語るのは豊南の守護神・二川だ。身長のハンディを跳躍力でカバーする彼は、76分に訪れた最大のピンチを見事に防いだ。中大杉並はカウンターから右サイドMF12松本恒汰に展開、中央に折り返されたボールを金井が左足で振り抜く。しかし、豊南の二川は横っ飛びでこれをキャッチした。「味方にシュートが当たって方向が変わっちゃって、その時に切り替えて体の向きを変えて飛ぶことができました。もともと自分は飛ぶ力が強くて、それで止めることができました」。身長がない代わりに培ったバネの力が、チームを救った瞬間だった。
▽第104回全国高校サッカー選手権東京予選
第104回全国高校サッカー選手権東京予選

