それでも、豊南の選手たちの目標は明確だ。「都大会で優勝する。気持ちを大きく持ちたい」とキャプテンの中山が宣言し、邱も「優勝したいですね。優勝に向けて練習をしっかりやって、みんなで一緒に勝ち切りたい」と続く。ゴールキーパーの二川に至っては「都大会優勝で選手権に出ることが目標ですけど、それだけではなく、チームとしてもっと個々の技術だったり、チーム力をもっとアップしていって、他の高校にいいって思われる高校になりたい」と、さらに先を見据えている。
酷暑を避けて夏休み終盤から始まった今年の東京都予選。年末年始の風物詩である選手権への道のりは、まだ始まったばかりだ。しかし、「3G」の哲学を胸に刻んだ豊南の選手たちは、一歩一歩確実に歩みを進めている。「1つでも2つでも上を目指そうっていう期待感があるんで、本当に行けそうな気がします」という塩田監督の言葉が、秋の青空に響いていた。
(文・写真=西山和広)
▽第104回全国高校サッカー選手権東京予選
第104回全国高校サッカー選手権東京予選

