試合後、米澤一成監督は「完全に負けゲームでした。こういう勝ち方はこれまで無かったし、これからも無いと思う」と劇的な試合展開を評していた。今季はプリンスリーグ関西1部でも苦戦が続いており「これまでの敗戦が頭をよぎったが、最後は捨て身の攻撃だった。PK戦も思いを込めて蹴ってくれたと思います」と選手を称えている。

 試合内容も前半のように攻撃でボールを持って仕掛けられなかったことなど課題があり「共栄さんの強さ、勢いに終始押されていた。受けに回ってしまった」(米澤監督)が、後半は選手の配置を調整したことで攻撃を持ち直した。なにより土俵際まで追い込まれた状況から生還しての決勝進出は、チームに勢いをもたらすだろう。

 平は「試合終盤のギリギリまで負けそうな展開だったが、最後のCKで自分が決めてやろうと思ったら、本当に決められた。シュートは首を振って、とにかく当てようとした。実力というより運の良さもあったが、得点が決まってめちゃくちゃ嬉しかった」と得点シーンを振り返った。PK戦も「相手のキックが(自分のストップではなく)クロスバーやポストに当たった場面もあったが、それも含めてのPK。最後に止めた後は(応援してくれていた)みんなと喜びを共有したくて、スタンドへ走っていきました」と話してる。後半ラストプレーで同点ゴールを決め、PK戦でも最後にシュートを止めるなど、文句なしのヒーローだった。

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▽第104回全国高校サッカー選手権京都予選
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