奈良育英が亡き友に捧げるV

 天国の亡き友に捧げる勝利となった。下級生時から攻撃の軸を担い、新チームではエースナンバー「10」を背負っていた3年生・森嶋大琥が、総体予選後に白血病を患い、早すぎる死を遂げた。夏の総体予選決勝でも先制弾でチームを勝利に導いた大黒柱を失い、チームに動揺が走る中で臨んだ総体本戦では立正大淞南(島根)を相手に善戦するも、2-4と逆転で1回戦負けとなった。チームが冬の選手権へと目標を切り替え、再団結しようとした矢先には、総体でもベンチメンバーに名を連ねていた東愛流が事故で亡くなった。

「今年を振り返ると森嶋と東との別れは切り離せないものだった。選手は本当にしんどかったと思うんです。当初はサッカーすらできない、学校にすら行くのも難しい選手もいました。神様はどれだけ試練を与えるんだって思いましたけど、それを乗り越えて優勝してくれたんで、本当にたくましくなったなと思う」

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▽第104回全国高校サッカー選手権奈良予選
第104回全国高校サッカー選手権奈良予選