そのFW19篠田、ベンチでは「この戦況をどうぶち壊そうか考えていました」と虎視眈々。戦況を変えるではなく、なぜ「ぶち壊す」と表現したのか。

「試合の雰囲気に溶け込もうとしたら自分の味が出なくなります。『ぶち壊して俺の流れにしてやる』と考えないと押されてしまうので」と快活さが垣間見られた。

 この一発が出たのは早実が背骨とするひたむきで愚直なプレーがあったからこそ。早実はここ数カ月で大きく成長した。キッカケは0ー4で惨敗したインターハイ予選準決勝(6月14日)帝京戦にあった。

「(帝京戦後)BチームやOBの方から「応援されるチームになっていない」と言われました。ゲームを捨ててしまったと思われたことは早実ではありえないこと。たとえ0-4でも最後までやり切ることがそのときの自分たちには足りなかった。うわべだけでなく、本質的なところからサッカーを見直しました」(MF7野川)

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▽第104回全国高校サッカー選手権東京予選
第104回全国高校サッカー選手権東京予選