昨年果たせなかった悲願達成を目指す米子北(写真=松尾祐希)

 一方の米子北は伝統の堅守速攻で勝ち上がってきた。今大会は3試合で9得点・1失点。抜群の安定感を誇っており、攻守に隙のないチームになりつつある。その要因が前線からの守備。FW福田秀人(3年)とFW小橋川海斗(3年)が最前線からプレッシャーをかけ、呼応するように2列目の選手がパスコースを切りながら相手に圧をかけていく。もし奪えなかったとしても、ブロックを作って対応することが可能。最終ラインの左SBの主将・野田徹生(3年)を軸に身体を張った守備で得点を許さない。

 前からのハイプレスとブロックを構築する守備を使い分ける米子北。攻撃力が自慢の前橋育英に対しても、同様の守備で相手のストロングポイントを消しにいくプレーが求められる。湘南工科大附との準々決勝では序盤から足を使った守備で相手の攻撃力を封じ、前半8分には敵陣で奪ったボールを先制点に結び付けた。攻守一体となった戦いで先手を取れれば、勝機は見えてくる。昨季は青森山田に決勝で敗北。先制点を奪いながら、最後は相手の圧に屈して延長戦で涙を飲んだ。そのリベンジを果たすためにも、磨きをかけてきた2つの守備スタイルを発揮することが求められる。

 攻撃力の前橋育英か守備力の米子北か。運命の一戦は28日に11時半キックオフだ。

(文・写真=松尾祐希)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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