GK藤澤芭琉(左)、MF阪田澪哉(中央)、MF矢越俊哉(右)(写真=森田将義、六川則夫)

【13】MF阪田澪哉(東山/3年/セレッソ大阪内定)

 ベスト8まで進んだ昨年の選手権。50mを6秒フラットで走る俊足を生かした突破で、観客を大いに盛り上げた。

 一気に名前を売った阪田澪哉の今年は多忙を極めた。2年次から参加していたU-17高校選抜での活動に加え、3月には高校選抜の一員としてデンソーカップに出場。春休みには自チームで行った関東遠征にも参加した。

 高いレベルを経験し、成長につなげたが、心身ともに疲労し、プレーのキレを失っていった。

 3月末、C大阪内定が決まってからは、相手の警戒網も高まり、春先にはこんな悩みを明かしていた。「サイドでのドリブルが自分の特長なのに、プロ入りが決まってから、縦を切られる場面が増えている。それでも何回も『仕掛けろ』と言われているけど、まだできていない。何回もチャレンジし続けられるようにメンタルを強くしないといけない」。苦しむ阪田と歩調を合わすようにチームも勢いを失い、総体では3回戦で矢板中央(栃木)にPK負けを喫した。

 迎えた選手権予選は、これまでの鬱憤を晴らすかのような活躍だった。初戦のハットトリックを皮切りに、チームトップの8 得点。自ら10番を志願するなど今年にかける意気込みに見合ったプレーが戻ってきた。いまの彼なら、昨年以上のインパクトを残してくれるはずだ。

 もともと自信のあったコーチングでも、戦術的な指示を飛ばせるようになってきた。成長途中でなかなか増えなかった体重も、栄養や睡眠を意識し、理想に近づきつつある。予選で敗れた昨年のリベンジを果たして出場する今大会は、たくましくなった姿を見せつける。

(文=森田将義)

【14】GK藤澤芭琉(徳島市立/3年)

 188cmの高身長ながら身のこなしも軽く、高校入学直後から世代別代表の候補に選ばれてきた。ハイボールの強さ、的の大きさを生かしたシュートストップなど、守護神としての素質は十分。U-17日本高校選抜を含め、世代屈指の経験を積んできたことで、ジャンプした際の着地の仕方など細かい部分にまでこだわり、着実に成長してきた。

 もともと自信のあったコーチングでも、戦術的な指示を飛ばせるようになってきた。成長途中でなかなか増えなかった体重も、栄養や睡眠を意識し、理想に近づきつつある。予選で敗れた昨年のリベンジを果たして出場する今大会は、たくましくなった姿を見せつける。

(文=森田将義)

【15】MF矢越俊哉(松本国際/3年)

 代表経験がなければ目立った経歴もなく、全国的な知名度は低い。それでもボールを持ったときのワクワク感は今大会でも屈指だ。

 「体が弱く、足も遅いので、小さいころから常に(相手の)逆を取ろうとしてきた」

 持ち味は高い技術と豊富なアイディア。独特の間合いで繰り出すドリブルで、相手エリアを自由自在に動き回る。

 元日本代表の中村憲剛をお手本にしたパスのセンスもピカイチ。総体予選の決勝で負けてからは、チームを勝たせるために、ゴールに対するどん欲さも出てきた。確かな才能をもつ男にとって、選手権の舞台はその名前を売る絶好のチャンスだ。

(文=森田将義)

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