―――そういう選手たちには色んなポジションをやらせたりもしていましたね。
そう。メンタル的にも。結局プロになったら人前で叩かれるわけじゃないですか。メディアや世間にも。だから、プロになりそうな選手には、みんなの前で怒ることも多かったですし。だけど、そうまでして行ったけどみんな苦労してるから。大学に行ってあと4年ゆっくり色んな経験をしてからでもよかったのかなと凄く思いますね。答えはないかもしれないですが。
―――高卒プロの子たちが20歳くらいまで全然試合に出られないのをみていると、大事な時期に公式戦に出れないことを残念に思ってしまいます。
それは大きいですよね。高校の先生の時はこういう話をすると、Jクラブ批判だっていう人もいたんですけど、今はJクラブにいるんで。Jクラブの誰かが悪いなんて全く思わないですね。改めてJクラブに来てみて、トップチームが勝つか負けるかで色んなことが変わってくるのがわかるし。今の日本のJのシステムがやっぱり育てられるシステムじゃないんです。
それは監督が悪いとも強化部が悪いとも一切思わないです。やっぱり勝たないといけないんで。プロだから。だから、やっぱり19-21歳の3年間の育成する仕組みというか、システムを作らないことには、やっぱり大学サッカーに委ねるしかないのかなと正直思います。だからちょっとでも目に付くよう、OBたちの得点シーンだったりは自分のSNSで紹介するようにしています。
彼らが悪いわけでもなくて、彼らを取ったチームも悪くない。ちゃんと足を運んで何試合も見て、協議した上で獲得してくれているし、そこに行くと選んだのは本人たちなので、誰も悪くないんですけど、シンプルにゲームに出るチャンネルがない。だからなにかそこの仕組みを考えないといけないなと思います。