―――最後に、興國から多くのプロ選手が誕生しましたが、内野さんがJクラブに来てみて「もうちょっとこうすればよかったかな」と彼らに対して思うことはありますか?
めちゃくちゃあります。とにかく、大学をもっと勧めたらよかった。樺山諒乃介(群馬)とか数人の選手以外には基本的には大学を勧めてきたんです。だけど、高卒でプロに行った選手たちの苦しみっぷりを見ていると、逆に大学に行った選手たちの充実っぷりをみていると、もちろんそうじゃない逆のパターンの選手もいますけど、確率で言うと圧倒的に大学に行った選手たちの方が充実している。「本人の気持ちを尊重して」と立派な指導者っぽいことを言わずに、強制じゃないけど、もっと強く大学を勧めてあげたらよかったのかなと、めちゃくちゃ思います。
それとさっきの話に繋がりますが、もうちょっと自分に余裕を持っていられたら、もっと良い指導というか、あんなにわめかずに、指導できたのかなと。奈良クラブに来てから申し訳なかったなと思うことは結構あります。もっと自分に余裕があれば、もっと柔らかく指導が出来たんじゃないかとか。やっぱり大学を強く勧めればよかったとか。Jに行った選手たちに対しては特に怒られ役じゃないですけど、厳しく接していたので。
それには理由もちゃんとあって、プロに行くかもという選手たちに、どういう風に理不尽な環境であったり、問題解決能力を修行させる方法があるのかなとなった時に、当時の僕にはあれしか考えつかなかった。厳しく接したり、ボロカス言ったり。振り返ってみると、プロになった選手やプロになりそうな選手にしか言ってはないんですけど。
高校からプロに行くと、辛くて厳しい環境が待っているというのがわかっているので、だから高校の間に厳しくしていたんですけど、別にもうちょっと高校で優しくして、そんなに詰め込まずに大学に行って、大学で色んな人生経験をしてからプロになったら、もっと良かったのかなとめちゃくちゃ思っています。