大宮・安元利充監督
――安元先生はこれまで桶川高校、浦和西高校、大宮工業高校に勤務されました。いずれも男女共学校ですが、大宮はこの3校とは全く校風が違いますね。
学校のウェブサイトで校長先生がお話されているように、『チーム大宮』という言葉があります。みんながひとつになって学び合い、励まし合い、支え合い、時には競い合うのが大宮高校の特長ですね。とにかくみんな仲がいい。これまでの3校に比べると、そんなところに独特の校風を強く感じ取っています。勉強と部活動の両方に全力を注ぎ、うまく両立させている生徒ばかりで、部活動への加入率は実に94.9パーセント(昨年4月)で、運動部にせよ文化部にせよ入っていない生徒はほとんどいません。学校としても勉強と部活動の両立、自主自立の精神を養うことを目指しているんです。
――指折りの進学校にあって、どうやってサッカー部を強化し、選手を育てているのでしょうか?
まず魅力ある人間に育てたいという思いが第一にあります。その次にサッカーに目を向ければ、「目指すところはここだぞ」というふうに、こちらから強く押し付けるのではなく、これだけ優秀な生徒が集まっていますから自分たちで目標を設定し、それに向かって試行錯誤、チャレンジしています。新チームが結成されると自分たちで最終ゴールを決め、目標を達成するためのスタイル構築も彼らが決めているんですね。赴任1年目にしても「さあやるぞ!」みたいに私だけ鼻息が荒くなったこともありませんし、何かをガラリと変えることもしませんでした。練習メニューこそ異なりますが、前任の小田川功先生がやってきたスタイルを生かしながら、少しずつ味付けしていきました。