サッカー人はみんな競技を通して、自分なりに考えたり、悩んだり、自己嫌悪に陥ったり、人と衝突したり、理解されなくて苦しんだり・・・。いろんな葛藤を感じますよね。時にはダメな自分から目を背け、人のせいにしてやり過ごすこともあるかもしれません。でも、それは“偽りの自分”に過ぎずないと気づくはずです。

 そうやって自分自身に正面から向き合い、自問自答を繰り返すなかでだんだんと自分自身の「取扱説明書」が作られていくものです。今回書いた「サッカーがもっと楽しくなる40のヒント ~なぜカメはウサギに勝てたのか~」という本には、目を背けずに自分自身としっかりと向き合い、自分のトリセツを作るためのヒントを詰め込んでいます。トリセツができれば、他者との比較で悩む必要がなくなり、結果的に自己肯定感が高まってくるのではないかと期待しています。

 この本のこだわりは「サッカーと日常を一体として捉える」ということ。サッカーは人生の縮図ですから、サッカーでの経験は人生の様々なことに応用できます。サッカーはミスが付き物で、劇的な変化が連続し、正解が1つではない競技。トラップミスをして思ったとおりにプレーできなかったとしても、落ち込んでいる暇なくプレーは続きます。そこから瞬時に計画を変更してドリブルで突破していくこともできる。それがサッカーですよね。

 急なできごとによる計画変更なんて、日常でも常に起こることです。瞬時の判断と適応力は、日常でも役立つスキルに変換されるのです。計画通りに進まないことにイライラするのではなく、「そんなこと、サッカーでは当たり前だよ。俺たちにとっては大したストレスじゃないよ」って思えるわけです。詳しいことは【第4章】(テーマ32)「失敗さえも正解にしてしまえばいい」に書いてあります。

 つまり、オン・ザ・ピッチとオフ・ザ・ピッチを分けるのではなく、サッカーでの気づきや学びを日常生活でも役立てていくことが大事なのです。そうすれば、エネルギーを無駄にすることなく、成長スピードは加速させることができると思いませんか。

 出版社との話し合いの結果、「サッカーがもっと楽しくなる40のヒント」というタイトルになったわけですが、「楽しくなる」というところがポイントです。「上手くなる」とか「強くなる」ほうがウケはいいと思いますが、どんな選手にも共通して大事なのは「楽しむ」こと。サッカーと日常生活をつなげて考え、楽しみながら成長していける。そういうきっかけになったらとても嬉しいです。

「サッカーがもっと楽しくなる40のヒント ~なぜカメはウサギに勝てたのか~」
出版社:‎東京法令出版 (2023/6/1)
発売日:2023/6/1
単行本:176ページ
定価:1,320 円(消費税込み)

著者PROFILE
福富信也(ふくとみ・しんや)
1980年3月生まれ
信州大学大学院教育学研究科修了(教育学修士)
横浜F・マリノスコーチを経て、2011年に東京電機大学理工学部に教員として着任(サッカー部監督兼務)
日本サッカー協会公認指導者S級ライセンスで講師を務め、Jリーグのトップチームから育成チームまで幅広い対象へのチームビルディング指導を行う。株式会社ヒューマナジー代表

【その他、福富氏の著書】
「『個』を生かすチームビルディング」(KANZEN)
「『勝つ』組織 集団スポーツの理論から学ぶビジネスチームビルディング」(KANZEN)
「脱 トップダウン思考」(東京法令出版)
スポーツで役立つチームワークの教科書(KANZEN)

協力=BRIGHTON CAFE