
横浜商大高MF8鈴木智喜
10月12日、秋晴れの日大藤沢NFグラウンド。声出し応援禁止のスタンドからは拍手の音だけが、ピッチで戦う選手たちの背中を押していた。横浜商大高MF8鈴木智喜にとって、この日の平塚学園戦は特別な意味を持つ一戦だった。4カ月前、インターハイ予選で涙を飲んだ相手。「選手権でまた戦えるっていう最高の場をいただけた」。その言葉には、再戦の機会を得た喜びと、決して負けられないという覚悟が滲んでいた。
試合は平塚学園の先制で始まった。重苦しい空気がピッチを包む。だが、鈴木の心は揺らがなかった。「3年生の強い思いに負けないくらい、2年生、1年生もついていって戦った」。少数精鋭の3年生を思う気持ちが、彼の足を前へと動かし続けた。そして32分、その想いが形になる瞬間が訪れる。
▽第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第104回全国高校サッカー選手権神奈川予選

