
古市コーチ(左)と内野監督
武南を指揮するOBの内野慎一郎と古市は同い年だが、高校時代の戦績はまったくの対極にあった。内野の武南は関東高校大会と全国高校総体、全国高校選手権の各予選を3年間すべて制する絶対的な王者だった。
輝かしい実績こそ残せなかった古市だが、監督であり恩師の塩生昇から受けた教化はかけがえのないもので、「きめ細かく見てくれた先生にはキャプテンシーを教わった」と振り返る。中学も高校も主将を任されたが、「周りの水準も自分と同じくらいだろうという錯覚をひどく注意されました」。高3ではチーム全体に気を遣い、細部にまで目配せできる大黒柱となる。塩生の教えは今も肝に銘じている。
塩生の勧めで仙台大へ進学。推薦入学した10人のうち、無名校出身は古市だけで好人材が多数在籍した。毎年のように全日本大学選手権や総理大臣杯全日本大学トーナメントに出場する強豪だった。
3つ上には宮城・聖和学園監督で、Jリーグ名古屋グランパス入りした加見成司、FC刈谷監督でコンサドーレ札幌などに在籍した古川毅がいた。浦和レッズで主将を務めた内舘秀樹は2つ先輩だ。
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▽第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選

