昨春赴任するとS2リーグの指揮を執り、B組3位に入った。「コーチとして監督とはまた違った景色が見られるのですごく勉強になる。一歩引いてチームを観察できますね」と述べると、「この1年半は刺激ばかり。選手が伝えたことを体現してくれるのが楽しくて仕方ない」とやりがいを口にする。

 セカンドチームを指導する難しさについて「トップチームにけが人が出たら供給しないといけないので、こちらの戦力が弱くなる場合もある」と言う。それでも「自分の最大の役割は、トップで活躍できる特長のある選手を育てること」と口元を引き締めた。

 今季のS2は10月5日の第15節を終えて2位。残り3試合での逆転優勝を目指す。

 セカンドチーム主将のMF橋爪優太(3年)は、「自分たちから意見を言いやすいコーチで、選手に寄り添ってくれます。怖そうな人が来ると聞いていたが、全然違いました」と古市の横顔を紹介する。教え方については「引いた相手を崩す練習に力を入れ、勝ちに直結する指導をしてくれます」と説明した。

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