武南は06年の第85回大会を最後に、18年も全国高校選手権に出ていない。古市は「美しく魅力的な武南の伝統を継承しながら、内野監督の色が出せるようにサポートしたい。武南の血は流れていないけど、私も仲村さんも違う血は注入できると思います。外から来た人間にしか見えないこともありますからね。ここで人生最後の勝負をしたい」と並々ならぬ決意を示す。
安定した職を辞すことに家族の反対はなかったのか。「仕事のことでああだこうだと言われたことはない。妻は私学に変わるだけでしょ、って感じでした。50歳を前に公務員を辞められたのは家族の理解があってこそ。本当に感謝しています」と勝負師の顔から優しい家長の顔になり、ありったけの笑みがこぼれた。
(文中敬称略/文・写真=河野正)
▽第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第104回全国高校サッカー選手権埼玉予選

