平成26年度高校総体東京大会はいよいよ大詰め。全国への切符を賭けた準決勝を迎えた21日、駒沢第2球技場での第2試合で駒澤大学高等学校都立駒場が対戦した。これまでも東京サッカーの中心でしのぎを削り合ってきた両チーム。5月に行われた関東大会東京予選の決勝では2対1で都立駒場が制するなど互いに意識せざるを得ない一戦となった。

 両チーム共に4-4-2の布陣で臨んだこの試合の序盤、互いに堅い入りとなる。中盤での守備意識が高くまずはしっかりとした守備から入るという両チームの狙いが見受けられた。勝てば全国、負ければその時点でインターハイは終わってしまう大一番はやはり先制点がカギを握る展開となった。

 膠着した試合の中でやや都立駒場がパスを回せるようになった16分、右サイド16番のクロスに中央4番吉澤泰成のミドルシュートを狙うが、これはゴール右へと外れた。FW4番吉澤を狙った攻撃を試みるものの決定機を作り出すまでには至らない。

 一方の駒澤大学高等学校も苦戦を強いられる。持ち前の攻撃力は影を潜め、ゴールに迫っても最後の部分で精彩を欠く状況にベンチからは「とにかくシュートを打って終われ。やりきれ。」の指示が飛ぶ。右サイド7番、左サイド11番が何度か攻撃の起点になり徐々に攻め込むと迎えた31分には、その左サイドから11番がクロスを上げ、7番がヘッドで合わせるが都立駒場DFの体の寄せもあり決めきることができない。続く35分には、左3番のクロスにまたも7番が反応。相手を背負いながらのトラップから振り向きざまのシュートを放つがゴールネットを揺らすことができなかった。

 やや駒澤大学高等学校に攻撃の形を作られつつあった都立駒場にここでアクシデントが襲い掛かる。29分にイエローカードをもらっていた9番秋葉遼太が37分、この日2枚目のイエローカードを提示され涙の退場。大事な一戦で攻撃の中心選手を失った都立駒場は10人で戦うことを強いられることとなった。

 10人の都立駒場に対し、前半のうちにリードを奪いたい駒澤大学高等学校は前半も終わりに近づいた37分、ここまで完全に沈黙していたエース9番安藤丈が左サイドからチャンスメーク。ゴールには繋がらなかったものの一つ良い形を作ったところで前半終了のホイッスル。0対0で後半を迎える。

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