互いに譲らずスコアレスで終了し、迎えた後半。流れをつかんだのは日章学園だった。システムを4−4−2から4−1−4−1に変更。攻撃の厚みと高い位置でボールを奪うべく、ボランチの葭岡遥来(1年)をシャドーに上げた。すると、この策が見事に的中。前で相手にプレスをかけながら、パスを受けた際には積極的に攻撃を仕掛けていく。すると、55分だ。日野海土(2年)のラストパスを葭岡がゴール前で受けると、胸トラップからネットを揺らして先制弾。これで勢いの乗ると、続く67分にも日野の右クロスからゴールを奪い、勝負に蹴りを付けた。

 試合後、辛口で知られる早稲田監督も選手たちを賞賛。とりわけ、2得点を挙げた葭岡については、「前半はイージーミスが多く、良くなかった。だけど、よく2点をとってくれましたね。これで一皮向けてくれた良い」と期待の1年生ボランチに賛辞を送った。

 今年度限りでチームを離れる指揮官のラストゲームを勝利で締めくくった日章学園。早稲田監督が35年をかけて一から作り上げた伝統を継承しつつ、今季どのような戦いを見せるのか。進化が問われた九州新人戦で、上場の滑り出しとなったのは間違いない。

(文・写真=松尾祐希)

▽令和元年度第41回九州高校U-17サッカー大会
令和元年度第41回九州高校U-17サッカー大会