長崎日大、直近10年の内9回の優勝を誇る常勝校・長崎総科大附に延長戦の末に勝利

長崎総科大附 vs 長崎日大(写真=藤原裕久)

 全国大会出場と制覇の回数は数知れず、高校サッカー界の生ける伝説とも言える小嶺忠敏監督が率いる長崎総合科学大学附属高校と、県内で打倒小嶺の一番手として何度も激戦を繰り広げてきた亀田陽司監督の率いる長崎日大が、17日に行われた第55回長崎県新人体育大会サッカー競技の2回戦で激突。2回戦最注目の一戦は、前後半を戦っても決着が付かず、延長戦までもつれ込んだ末、延長後半に1点をあげた長崎日大が長崎総大附属を1-0で下し、3回戦へと進出した。

 前半は完全に長崎総大附属が得意とする流れだった。長崎日大のFW白石快周には、児玉勇翔をマークにつけ、出足鋭いプレッシャーで襲いかかってボールを奪い、サイド攻撃やロングスローで攻撃を展開。鋭く迫る長崎総大附属の選手たちの前に「ちょっと圧を感じてボールを動かせなかった。本当はもうちょっと相手をいなしたかった(亀田監督)」という長崎日大は、得意のポゼッションサッカーを展開することができない。それでも4-2-31でブロックを作り、ボールを持ってからも無理につながずカウンターを狙う我慢のサッカーで前半を0-0のまま折り返す。

 後半、システムを4-1-4-1へと変更した長崎日大は、長崎総大附属のプレッシャーに馴れたこともあって、ボールを持てる時間が増加。相手をかわしながら前へボールを運ぶシーンが増えていく。対する長崎総大附属は後半8分に「2年生と3年生では選手の力は大きく変わる。成長してほしい」と試合前に小嶺監督が期待していた別府史雅を下げて、ドリブルが得意な竹田天馬を投入。竹田のドリブルや、芦高佑の左サイドからの突破でチャンスを作っていくが、長崎日大のGK福田雅哉の判断良いプレーの前にゴールはならず。後半32分に迎えたゴール前での決定的なシーンでも、城間琳のシュートはバーを超えてノーゴール。長崎総大附属は長崎日大の体を張った守りの前に得点を奪えないまま、0-0で試合は前後半10分の延長戦へと突入する。

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▽令和2年度長崎県高等学校新人体育大会
令和2年度長崎県高等学校新人体育大会