PK戦の末、8人目で決着!優勝候補・流通経済大柏がファイナルの舞台へ

流通経済大柏イレブン

 激戦を制したのは流通経済大柏だった。

 2対2で10分ハーフの延長戦に突入。そのままスコアは動かず、ついにはPK戦へともつれ込んだ。5人ずつをけり終えた時点で、4対4。両者譲らず、サドンデスに移る。明暗を分けたのは8人目のキッカーだ。先にける流経大柏のPKが成功し、かたや専修大松戸のそれはクロスバーを叩いた。

 「PK戦までを含めて練習してきたので、慌てることはなかったけれど、やはりドキドキしました(苦笑)。選手たちには自信をもってやりなさいと。PK戦が始まる前に、そこはしっかり伝えました」(流経大柏・榎本雅大監督)

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 勝利の立役者のひとりがGKデューフ エマニエル 凛太朗(2年)だ。PK戦では、191センチの長身をさらに大きく見せるかのようにゴール前に立ちふさがった。

 「PK戦はキッカーよりGKのほうが気持ち的に楽だと思います。キッカーはそれぞれ1回ずつしかけることができないけれど、GKは5回、止めるチャンスがあるからです。1本でも多く止められれば、という気持ちでやりました」(デューフ エマニエル 凛太朗)

 流経大柏の3人目のキッカーが失敗するなか、専修大松戸の4人目のPKを右に跳びながら手で弾いた。チームの窮地を救うファインセーブだった。「相手の目を見ながら駆け引きしましたけど、うまく止められてよかったです」と、貴重なPKストップのシーンを振り返った。

流通経済大柏 vs 専大松戸

 試合開始直後、スピーディーな展開からペースを握ったのは、どちらかといえば、専修大松戸だった。だが、そこをしのぐと、11分にゴール左のスペースに抜け出した清水蒼太朗(3年)がゲットし、流経大柏が先手を取る。ところが、その6分後に同点弾を許した。

 33分に左CKのチャンスから小林恭太(3年)が押し込み、再びリードしたものの、5分後、鋭いカウンター攻撃から追いつかれた。取って、取られて――。前半だけで4得点が飛び交う打ち合いとなった。

 「長いボールに対して後ろからわき上がってくるような相手の出足に負けないとか、対人のところとか、後半に向けて守備面を修正しました。僕自身はできるだけ守備に徹して、攻撃は前の選手に任せました」

 このように語るのは流経大柏のキャプテン、渋谷諒太(3年)だ。ケガのため、ベンチスタートだったが、前半の途中から登場。チームに落ち着きをもたらそうと力を尽くした。

 後半に入ると、総合力で上回る流経大柏が完全にペースを握るも決定打が出ない。相手の体を張った守りにてこずった。一矢報いようと、ひた向きに挑んでくる専修大松戸を振り切り、ついに流経大柏がファイナルの舞台に立つ。

 次なる目標――3年ぶりの選手権出場に向かって照準を合わせる。

(文・写真=小室功)

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