大勢の下級生をまとめるのに骨を折ったかと尋ねると、「いいえ、みんな賢くて戦術理解度が高いので何の苦労もありませんでした」と即答。「これから受験勉強に取り組みます。慶応の文学部が第一志望です」と主将らしく、はっきりとした口調で答えた。

 2025年度の進路状況(大学合格者数)は、両校の公式ウエブサイトによると開成は東大が150人で、早大が257人、慶大が189人。東京学芸大附は東大が22人で、早大が97人、慶大が78人で医学部医学科が79人だった。

 接戦をものにした開成の菅佑也監督は就任2年目。「1、2年生だけでチームをつくり始めたばかりなので、フィジカル面ではかなり厳しかったですね。個々の特長を最大限に生かせるチームにしていきたい」と述べ、「開成はまだ2次予選トーナメントに勝ち残ったことがありません。決勝の都立石神井はかなり強い相手ですが、我慢強く戦ってほしい」とイレブンを鼓舞した。

 主将の太田も「強豪との戦いになりますが、持ち味である集中力とサイド攻撃で臨み、どんな形でもいいから都大会(2次トーナメント)に行けるよう頑張ります」とチーム史を塗り替える覚悟を示した。           

(文・写真=河野正)

▽第104回全国高校サッカー選手権東京予選
第104回全国高校サッカー選手権東京予選