試合終盤は攻める前橋育英、守る神戸弘陵という試合展開で後半アディショナルタイムへ。40+5分、前橋育英の左サイドから牧野奨のクロスに対して、神戸弘陵のGK鹿屋舷が飛び出して対応しようとするが、落下地点にポジションを取った関がニアサイドへ折り返す。そのボールへ反応したFW大岡航未がワントラップからGK不在のゴールへシュートを放とうとしたが、カバーに入った今井が決死のシュートブロック。「チームみんなの思いも背負って試合に出ている。いつもなら動けなかったと思うけれど、全員の力を借りて、最後の一歩を勇気を持って飛び込めました」というビッグプレーで同点弾を許さなかった。試合は2-1で神戸弘陵が勝利。前回王者を破る番狂わせを実現させた。
勝利の立役者となったのは2ゴールの池だ。谷監督は「県大会の大事な試合でも、池がゴールを決めて勝つ試合が多かった。今日は2得点、神戸弘陵の10番の仕事をしてくれました」と称賛している。池も「県大会から自信が付いてきたし、今日も『絶対に決めれる!』と思っていたのが大きかったです。試合前からチャンスが訪れても1、2回くらいだと思っていたので、その少ないチャンスを決めようと意識していました。(前回王者を破る2ゴールは)めちゃくちゃ気持ち良かったですね」と笑顔を見せている。シュートはいずれも相手選手に少し当たって決まっているが「『やりきる、打ち切る、上げきる』というのはチームの共通認識です。ゴール前でパスをせずに打ち切ることは、監督から『お前は打ち抜け』と言われていました」と振り返っている。
第104回全国高校サッカー選手権

