また、タレント揃いの前橋育英と渡り合った守備面も勝利の要因だ。谷監督は「コンビネーション、3人目の動き、スルーパス、サイドからのクロス…(前橋育英は)きちっとサッカーをする相手で、そこに対して選手たちが戦ってくれた。抽選会で前橋育英と対戦することがわかってから取り組んできたロジックをやってくれました」と2年前の対戦に続いて選手権で前橋育英を下した選手たちをねぎらった。前回大会の優勝チームから多くの選手が残っている前橋育英に対して、神戸弘陵の前回大会経験者はキャプテンの今井とボランチの梅原の2人だけ。「経験あるチームと経験を積んできたチームとの対戦だったが、初戦で勇気を持ってプレーし続けてくれた」とも話している。

 今井も「この1ヶ月、守備の話ばかりしてきた。右サイドの白井選手や、久保選手の間へ入れてくるパスについては言われていました」と守備の警戒ポイントを話している。白井には前半に一度決定機を作られたが、それ以外の場面では複数の選手で対応。「一人目はスピードで外されても、二人目や三人目で止められていた。二本の足に対して、四本の足で取り行った」(谷監督)という対応を徹底した。白井も「スピードに乗ったドリブルを警戒されていて、縦を切られていた。やりにくさは感じていました」と話している。

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▽第104回全国高校サッカー選手権
第104回全国高校サッカー選手権