GK藤井陽登(矢板中央3年)

 サッカーファンや関係者らが待ち焦がれた夏の檜舞台であるインターハイ。そのピッチには、鋭い得点嗅覚を備えたストライカーから、目を疑うほどのテクニックを誇るファンタジスタ、誰にも負けない高さやフィジカルの強さを武器にするディフェンダー、得点を許さない鉄壁のゴーリーらが集う。2年ぶりの開催となる令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)の開幕を前に、注目の選手たちを紹介。まずは大会を彩ること必至のGK、DFたちをピックアップした。

■GK
藤井陽登(矢板中央3年)
関東の強豪で1年目から定位置を掴み、2年連続で選手権4強へと導いた実力は本物だ。GKとしては上背がないが、シュートストップは抜群。選手権などの大舞台でPKストップを成功させる勝負強さも目を惹く。高校生活ラストを迎えた今年は4強越えを狙う。

田邉満記(丸岡3年)
サイズと俊敏性を備えた守護神だが、特に目を惹くのはシュートストップ。中学までフットサルでゴレイロを兼任した経験を活かし、思い切りよく前に出ていき、ピンチを防ぐ。高校に入ってから磨いたロングキックも今では大きな武器で、カウンターの起点として機能する。

藤澤芭琉(徳島市立2年)
公立中学出身の無名選手だったが、185cmのサイズと俊敏性を買われ、高校入学直後からレギュラーに抜擢。8月には世代別代表にも選ばれた期待の守護神だ。今年のインターハイ予選では流れを引き寄せるビッグセーブを披露するなど、成長の跡を感じさせる。

佐藤瑠星(大津3年)
中学までは専門的なGK指導を受けてきたことがなかったが、187cmの高さと手足の長さは魅力十分。高校に入ってからの成長は著しく、今年は初めての世代別代表を経験した。今後は更に安定感を増せば、Jの舞台も見えてくる選手だ。

DF有吉勇人(瀬戸内3年)

■DF
チェイス・アンリ(尚志3年)
アフロヘアがトレードマークの大型CB。身体能力がとにかく高く、他を圧倒するヘディングと1対1の強さで相手チームの決定機を封じ込める。入学した当初はフィジカルに頼ったプレーが多かったが、経験を積んだ現在は本格派のCBとして飛躍の予感漂う。

入江羚介(帝京2年)
181cmの伸長と精度の高い左足を備えた希少価値の高いSB。昨年は名門・帝京で1年生ながら定位置を掴み、U-16日本代表候補に選ばれた。今大会でも鋭い読みを活かしたインターセプトから、唸るような左足フィードを披露し、チームの勝利に貢献するはずだ。

伊東進之輔(静岡学園3年)
中学時代から頭一つ抜けた身長は、高校に入って189cmまで到達。DFとしての将来性の高さ以上に、際立つのが攻撃性能の高さだ。左右両足での展開に加え、隙あらば最終ラインから積極的にボールを持ち運び、攻撃を組み立てる。

小林巧弥(中京3年)
全国的な知名度は低いが、秘めたポテンシャルは今年の高校サッカー界でも目を惹く。危機察知能力の高さを活かした対人の強さが売りのCBで、奪った後の展開力も完備。利き足は右だが、左足の精度が高く、対角へのフィードを入れて、攻撃のスイッチを入れる。

岩本剛気(立正大淞南3年)
182cmの伸長を活かした跳ね返しと俊敏性を備えた本格派のCB。最終学年を迎えた今年は、中心選手としての自覚が増し、ゴール前での身体を張って、ピンチを防ぐ場面が増えてきた。飛距離十分なロングキックも含めて、魅力の多い選手だ。

有吉勇人(瀬戸内3年)
CBとしての能力の高さはもちろん、際立つのは組み立て能力。左右両足をから正確なキックを繰り出せる選手で、ポゼッションサッカーの中心を担う。6月にJクラブの練習参加を経験してからは、サッカーに対する意識がこれまで以上に高まり、より楽しみな選手になっていきそうだ。

(文・写真=森田将義)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)