初の4強進出の岡山学芸館(写真=矢島公彦)

 一方の岡山学芸館は一戦毎に力を付け、準決勝まで勝ち上がってきた。初戦の帝京大可児戦は1-0、続く鹿島学園戦も3-2の接戦。國學院久我山との3回戦は0-0のPK勝利と、苦しいゲームを通じてチームはひと回りもふた回りも成長した。そうした積み重ねが現れたのが、準々決勝の佐野日大戦だ。堅守が武器の相手は5-4-1の守備的な布陣で、岡山学芸館の強みである素早いパス回しを封じに来た。しかし、相手のプレスをうまく外しながら、遅攻と速攻を使い分けながら次々に決定機を創出。ブロックを敷かれてもうまくDFをずらして、ゴールを重ねていった。終わってみれば4-0で完勝した。トップ下のMF田口裕真(2年)やボランチのMF山田蒼(3年)を起点にボールを動かしつつ、エースストライカーの今井拓人(3年)に良い形でボールを渡せるか。相手に押し込まれる展開になったとしても、一発で仕留める力を有しており、劣勢を跳ね返す武器も持ち合わせている。インターハイでは昨季と今季はベスト8に進出したが、全国舞台での4強は今回が初めて。鬼門を突破した岡山の雄がどのような戦いを見せるのか。「夏からいろんな経験させてもらってきました。うちが目指す縦に速いサッカーとボールポゼッションをみんながハードワークしながら、グループで崩していく。今まで積み上げてきたものに対して、自信を持ってやれている。それが本当にいい形で結果に繋がっていると思います」という高原良明監督の言葉通り、自分のたちのスタイルを発揮できれば初の決勝進出も見えてくるはずだ。

(文=松尾祐希)

▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権