こうやって実況を突き詰めていくと凄く大変なんですが、誰でも出来る実況ではなく、難しいことにチャレンジしていくように後輩たちには教えています。もちろんチャレンジすることで間違えてしまうこともあるんですが、間違えた時は謝ればいいんです。”間違えたら恥ずかしいからやらない”では成長しないし、間違えないようにトレーニングをして本番でチャレンジすることでしか成長はできないと思っています。

――それでは最後に高校生たちと後輩アナウンサーに伝えたいことを教えてください。

 選手には悔いの残らないように一日一日を過ごして欲しいですね。大阪大会を勝ち抜いた先には見たことのない世界が待っている。大阪大会の決勝から全国大会に行くまでの時間はものすごく充実した時間になると思います。この期間を経験すると自分が変わっていくことがわかると思うんです。もちろん私は自分で体験はしていないのですが、取材をしているとどのチームもこの期間に変わっていくんです。特に3年生は最後なので、きっと後からあの時間に戻りたいと思えるような充実した時間になると思います。それを経験できるのは1チームしかないのですが、一秒でも長く仲間たちとサッカーが出来るように、悔いが残らないように頑張って欲しいと思います。

 アナウンサーの後輩たちには、そういう選手たちを放送席で実況する自分が恥ずかしくないか。選手以上に努力を積んで放送に臨めているか。そこを自分の胸に手を当てて日々を過ごして欲しいと思います。チームに、監督に、選手に、学校に、親御さんに、応援している親族の方に、ファンの方に、視聴者の方たちに対して本当に自分がマイクを持って恥ずかしい姿じゃないか。今のベストを尽くしてマイクを持つということを大切にして欲しいと思います。

 (文=会田健司)

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