開成の練習風景(写真=多田哲平)
――それでも全員が妥協をせずにやり切れるわけではないですよね。妥協しない子と、してしまう子は、どこが違うのでしょうか。部活も続けられる子と辞めてしまう子がいると思います。
やっぱり責任感じゃないですかね。これが答えかどうかは分かりませんが、ひとつの特徴としてはあるのかなと。部活を最後までやり切る責任感が根付いている子は勉強に関しても中途半端にはしないですよね。部活をやり切った子は、たとえ一浪してしまったとしても翌年には必ず希望する大学に合格しています。今まで大学に行けなかったという話は聞いたことがないです。それに部活をやることで体が鍛えられて無理がききます。サッカーと比べたら勉強の疲労はどうってことないと思いますよ、彼らは。
――部活をやり切るからこそ勉強に集中できると。
ひとつのことをやり切った子のほうが、次にやることへの切り替えが上手いですね。できる子は、自分で一度決めたことを中途半端にしたくないんだと思いますよ。途中で部活を辞めてしまった子にしても全員が中途半端なわけではなくて、新しく熱中できるものができて、それを中途半端にはしたくないからサッカーからは身を引きますと、そういう子もいます。白黒ハッキリさせたいんでしょうね。
#4へ続く
(文・写真=多田哲平)