この日、唯一のゴールは思いもよらぬシーンから生まれた。
 後半3分、相手GKがペナルティーエリアの外にボールをリリースし、大きく蹴り出そうとしていたとき、前からプレッシャーをかけにいく。すると、判断を誤った相手GKがミスキック。左MFの村下和也の目の前に転がってきて、これを落ち着いて無人のゴールに蹴り込んだ。
「ゴールまで少し距離があったので、(ダイレクトでねらうのは)どうかなと思ったけれど、うまく決まってくれた。でも、この1点だけでは納得できない。チャンスはあったので、2点、3点と取らないといけなかった」

 均衡を破ったことで、心理的に余裕が出てきたのか、メリハリのある攻撃が増えていく。なかでもキラリと光ったのが後半15分の形だ。CB近藤諒大がゴール左にポジションを取る村下和也に鋭い縦パスを送る。これをワンタッチで、走り込んでくるボランチの田中崚平に残す。惜しくもシュートは外れたものの、3人目が絡んだ見ごたえのある攻撃だった。

 そして33分、右MFの井上達貴に代わり、28分から登場していた雨宮幸太郎がPKをゲット。追加点のチャンスを得た。
「相手にとって危険なスペースに走り込めたので、ファウルを誘うことができたんだと思う。自分でもらったPKなので、自分でけらしてもらったけれど……。あそこは決めないといけなかった」と悔やんでも悔やみきれないといった表情を浮かべた。

 これまで出場機会の少なかった4年生の雨宮幸太郎は田中崚平からキャプテンマークを譲られ、左腕に巻いた。「今日、僕と江﨑(手尋)が控えに入っていたんだけど、最初に交代で出てきた選手にキャプテンマークを渡すよといわれていた。いろいろなところに気を配ってもらってありがたい」と、感謝の意を表していた。

 もうひとりの4年生、江﨑千尋も後半35分、ボランチの澤颯人に代わって出場し、ボールによく絡み、左CKのキッカーも務めた。

 秋期リーグ開幕から4連勝を飾り、いよいよ強豪とのラスト3試合が控える。まずは10月2日、アウェイでの明海大戦だ(13時50分キックオフ予定)。春期リーグでは0対1で敗れているだけに、しっかり借りを返さなければいけない。ジリジリするような拮抗した展開が予想されるが、「最高学年の4年生をいい形で送り出したい」と結束力を高めている!

(取材・文・写真=小室功)