V・ファーレン長崎U-18が国見に勝利し、初のプリンスリーグ九州へ王手

国見 vsV・ファーレン長崎U-18(写真=藤原裕久)

 11月27日、長崎県雲仙市の百花台公園サッカー場で高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 九州が行われ、2-1で V・ファーレン長崎U-18が勝利し、初のプリンスリーグ九州へ王手をかけた。

 ここまでリーグ15戦を戦って2勝4分9敗で最下位ながら、リーグ終盤の10月に入ってからは1勝2分1敗と調子を上げてはいるものの、敗れればプリンスリーグ残留の可能性が大きく遠ざかる国見と、リーグ残り2試合を残して2位以上を確定させ、初のプレミアリーグプレーオフ進出を決めたV・ファーレン長崎U-18。対照的な立場に立つ同じ長崎の2チームの一戦は、開始から互いの意地が激突する一戦となった。

 「今日で(優勝を)決めるくらいの気持ちでいる」

 試合前に原田武男監督が語った言葉通り、ラインを高くあげて攻め込む V・ファーレン長崎U-18。これに対して国見は、しっかりとミドルブロックを組んで耐えると、福田晧大・北村一真・田﨑翔真・濱田渉帆らを起点にしっかりとボールを動かして反撃を開始。互角の展開でゲームを進めていく。サイドを広く使って攻める V・ファーレン長崎U-18だが、ゴール前での精度を欠きノーゴール。一方の国見も鋭い出足でボールを奪ってからの攻撃を見せていくが、こちらもゴールを奪うには至らず0-0で前半を終了する。

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国見 vsV・ファーレン長崎U-18(写真=藤原裕久)

 このまま一進一退の攻防はしばらく続くと思われた後半立ち上がり、「相手がつかまえにくい中間ポジションを取りながら飛び出すことを狙っていた」と言う安部大晴が中島聖翔のボールを受けて先制ゴール。互角の攻防から一転、1点を奪われた国見はここから同点を狙い攻勢を強めて立て続けに決定機を使っていくが、ここは V・ファーレン長崎U-18のGK首藤光翼がファインセーブ。その後も中平優汰・古田東也のCB2枚が粘り強く攻撃をはね返すと、57分に七牟禮蒼杜が追加点。2点を追うことになった国見はここから次々と選手を入れ替えて反撃を狙い、90分にゴール前の混戦から利根悠理の一発でゴールをもぎ取るが、反撃もここまで。2-1で V・ファーレン長崎U-18が国見を下して首位を堅持した。

 「セットプレーのところも含めて、守備がよくやってくれた。その賜物かなと思います」

 試合後、 V・ファーレン長崎U-18の原田監督が評したとおり、国見の攻撃は決して悪いものではなかった。リーグ最下位という順位が信じられないほど、この日の国見はボールもよく回っていた。それだけに不用意な失点をせずに我慢すべきところは我慢して戦えた V・ファーレン長崎U-18の手堅さが光ったゲームだったと言えるだろう。一方の国見は互角に近い戦いをやっていたものの、ゴール前での精度や、後半立ち上がりの失点シーンなど甘さが目立つシーンもあった。

 「良い流れで試合に入って、チャンスも作って、チームの良さがでるゲーム運びだったんですが、勝負のところで差が出てしまった。後半の入りが(敗因の)全て。そこに力の差、チームの差を感じて悔しいゲームになってしまいました」

 試合後、国見の木藤健太監督はそう振り返ったが、まさしくそこが勝負を決める際(きわ)の部分だったということだろう。

 勝利した V・ファーレン長崎U-18は最終節にプリンスリーグ初優勝へ挑み、敗れた国見は来週に延期となっていた筑陽学園戦を戦ってから、最終節へ臨むことになる。初のプレミアリーグプレーオフ出場へ「優勝して挑みたい(原田監督)」という V・ファーレン長崎U-18、プリンス残留の可能性を少しでも上げるには2連勝を狙うしかない国見。それぞれにとって正念場となる戦いで悔いのないゲームを期待したい。

(文・写真=藤原裕久)

▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 九州
高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 九州