的を絞らせないパス回しと卓越した個人技が融合!堀越が都立駒場を翻弄し8強進出!

都立駒場 vs 堀越

 5月29日、令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選2次トーナメント2回戦が行われた。

 ポゼッションサッカーを得意とする堀越と、スピードある攻撃を持ち味とする都立駒場との対戦。見どころの多い接戦になるとの予想を覆し、試合は堀越の一方的な展開となった。

 堀越はGK1菅野颯人(3年)、DF2久保木舜稀(2年)、DF4渡部美紗哉(3年)、DF5宇田川侑潤(3年)、MF6宇田川瑛琉(3年)、MF8日隠ナシュ大士(2年)、MF10古澤希竜(3年)、MF13小林宏太(3年)、MF14山口輝星(3年)、MF15中村ルイジ(3年)、FW19高谷遼太(1年)という11人。対する都立駒場はGK1山口弦那(3年)、DF2北岡大知(2年)、DF3肥田野寛太(3年)、DF4原康成(3年)、DF6高橋翔大郎(2年)、MF11後藤英太(3年)、MF8牧元英多(3年)、MF5中西大河(3年)、MF7小林建広(3年)、FW9菅野峻平(3年)、FW10藤木速人(3年)がスターティングメンバーに名を連ねた。

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 堀越のキックオフで試合開始。堀越は序盤からピッチ全体を使ってボールを動かしつつ、右ウイングにポジションを取るMF古澤に送って、古澤がドリブルで仕掛けてチャンスを作る展開。サイドからドリブルで敵陣内深くまで切り込むと、そこからセンタリングを上げ、中央の味方に合わせる。この戦術に対して、都立駒場は古澤の動きに警戒感を見せるが、ときより中央の山口とポジションチェンジをすることによってマークを曖昧にさせる。

 時間が進むにつれて、より一層、堀越が押し込むような流れに。ボランチの宇田川瑛琉が中盤の底でボールを受けてはボールをはたき、自らも自在に動いて、ときにはショートパス、ときにはサイドチェンジの大きなパスを駆使してゲームメイクしていく。都立駒場は陣形を崩されないように、よりコンパクトになり、ゴール前を固める。

 試合が動いたのは前半30分。都立駒場が数少ないチャンスで敵陣内に入り、DFラインが高めの位置を取ったとき、堀越がボールを奪うと、前線に残っていた古澤へロングパス。古澤はドリブルで都立駒場のペナルティエリア内に入り、追いかけてきた相手DFをフェイントでかわして、ゴール左隅にシュート。堀越が先制点を奪うと、前半はそのまま堀越が1-0でリードして終わる。

都立駒場 vs 堀越

 後半に入ると、開始早々から都立駒場が攻撃に出る。小林建広と藤木のコンビネーションから藤木がセンタリング。これはそのままゴールラインを割る。主導権を握ろうとする都立駒場だったが、後半5分に失点を許す。堀越の小林宏太が都立駒場のゴール前にふんわりとしたボールを蹴り込むと、ファーサイドに流れる軌道に対して、都立駒場のGK菅野がパンチングの体勢に入る。するとそこへボランチから上がってきた宇田川瑛琉が菅野と競るようにジャンピングヘッド。菅野は手を伸ばすものの、宇田川が一瞬早くボールを触りゴールを決め、堀越が2-0とリードを広げた。

 勢いに乗る堀越は9分にも、右サイドからドリブル突破した古澤が中央へグランダーのパスを送り、フリーになっていた小林宏太がゴールを奪い、3点目を奪う。

 1点を返したい都立駒場は、持ち前のスピードを生かすようなサッカーをしたいところだが、焦るあまりに前線にボールを放り込むようになる。そうなると体格で勝る堀越がより有利な展開となり、ボールを奪って、グランドを広く使ってボールを回す。ボールを回されると、都立駒場は自陣で守備をする時間帯が増え、スピードを生かすことができなくなる。選手交代で打開を図ろうとするものの、堀越のネットを揺らすまではいかず。

 結局、そのまま試合終了のホイッスルが吹かれ、堀越が3-0で勝利。8強に進出し、準々決勝で成立学園との対戦が決まった。

(文=滝沢ヤス英 写真=矢島公彦)

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選