都立狛江のDF毛利心駿は本来のFWにポジションを移すと相手の脅威に(写真=多田哲平)

 後半もボールを握った駒澤大高は、ボランチ中澤の展開力や、MF16菊池遥人(3年)の鋭い抜け出しを活かしてゴールに迫った。

 それでもなかなか3点目は奪えずにいると74分に相手MF23中村慶次郎(2年)にゴールを献上。1点差に詰め寄られる。

 その後は追加点を許さず2-1で勝利しベスト8へ駒を進めたが、駒澤大高の亀田雄人監督は試合後に選手たちに苦言を呈す。「綺麗にやろうとしすぎていた。もっと駒大らしく泥臭くやらなければいけない。狛江高校はすごく良いチームでした。選手たちが能動的で、好感の持てるチームでした。本当はうちがそれをやらないといけなかった」と指摘した。

 準々決勝では実践学園との対戦。「200パーセントチャレンジャーの気持ちでやりたい」と亀田監督は意気込んだ。

 一方の都立狛江は敗れたとはいえ堂々たる戦いを披露。テンポの良いショートカウンターを展開し、多くの決定機を作った。FW2森野琉仁(3年)とFW10金原央(3年)の2人でGKと1対1のシーンを作り出したり、DF22毛利心駿(3年)がゴールに迫るなど駒澤大高に脅威を与えていた。なにより選手主体で5-3-2システムを採用するなど、主体性を発揮した価値ある一戦だった。

 都立狛江の長山拓郎監督は「5バックのシステムは上手くいきませんでしたけど、選手たちの意見を尊重しました。選手権まで時間はあるので今はある程度選手に任せるのもいいかなと。課題はいっぱい見えたので、これからですね」と今後を見据えた。

(文・写真=多田哲平)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
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