殊勲の五加は本来、先発組のFWだが今回はチーム事情によりベンチスタートとなった。「(ゴールを)決めてこい、と送り出されたので絶対に取る覚悟で入りました。あのシュートはあまり角度がなかったけど、思い切って打ったんです」と説明。2回戦以降については、「1試合につき得点とアシストで3点に絡むことが目標。これをクリアしてインターハイに出たいですね」と笑顔で答えた。

 流通経済大柏から国士舘に転籍して5年目。数多くのタイトルを獲得し、名選手も育てた本田裕一郎総監督は勝っても渋い表情だった。「個々の能力が高くないし、戦術的な理解度も足りない。いろいろ教えようとするが、例えば3つの事柄を指導しても、一つ一つをなかなか覚えられないんですよ」と苦笑する。

 しかし新チーム結成からここまで、確かな成長もあるという。「個で打開できる選手が少ないので、2人で相手1人を抜くプレーの上達度は目覚ましいものがありますよ」と述べ、「これからはもっとショートパスで攻撃を組み立てられるようにしていきたい」と今後を見据えた。

       

(文・写真=河野正)

▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選