全国選手権王者の山梨学院、後半に挽回を試みるも佐賀東に1-3で敗北
山梨学院高等学校 vs 佐賀東(写真=松尾祐希)
3月20日、福岡県のグローバルアリーナでサニックス杯ユースサッカー大会の3日目が開催され、昨冬の高校サッカー選手権で2度目の優勝を成し遂げた山梨学院高等学校は2月の九州新人戦で準優勝を果たした佐賀東と対戦。幸先よく先制点を奪ったが、前半の終了間際に連続失点を喫してしまう。後半に挽回を試みたが、相手に追加点を許して1-3で敗北を喫した。
高校サッカー選手権の優勝から早2ヶ月半。昨季からレギュラーを務める新キャプテンの谷口航大、石川隼大(ともに2年)のダブルボランチを軸に2月上旬の山梨県の新人戦を制するなど、山梨学院は新たなチーム作りを進めてきた。しかし、今大会は思うようにゲームを進められず、2日目まで大会未勝利。予選リーグ最終日となる3日目に初勝利を目指したが、またしても不安定な戦いを見せることになった。
「試合の入りは良い」と谷口が話す通り、山梨学院は佐賀東戦でも前半27分にMF谷口のクロスからDF星野悠介(2年)が頭で合わせて先制点を奪った。しかし、以降は相手の流動的なパスワークに飲み込まれ、34分と37分にFW川原一太(2年)の得点で同点に追い付かれてしまう。後半は巻き返しを図るべく、最前線の茂木秀人イファイン(2年)を起点に攻撃を展開。突破の糸口を探り、相手の背後を使いながら前にボールを運んでいった。だが、良い形で前にボールを付けられず、決定機を作り出せない。中盤でボールを失う回数も多く、球際の攻防でも後手を踏んでしまう。すると、69分に中山琉稀(2年)のクロスから森田悠斗(2年)に得点を許して勝負あり。
山梨学院高等学校 vs 佐賀東(写真=松尾祐希)
試合後、谷口は「どうやったら勝てるんだろう」と不安を口にしたが、今年は選手権を決勝まで戦った影響でチーム作りは例年よりも進行が遅い。長谷川大監督もそこは認めており、まだ戦い方の骨格も定まっていない状況もある。
そうしたチーム状況も踏まえ、指揮官は試合中などにあまり助言をせず、選手たちの主体性を促すようなアプローチで選手の成長を促している。「守備意識を高めて、チーム作りをしていかないといけない。得点を取るためであれば、守りの意識は薄くても仕方がないという選手もいる。良い守備をして、良い攻撃に繋げていくことが戦い方のベース」とは長谷川監督の言葉。昨季の優勝を成し遂げたチームに近づくために、監督が求めることに選手たちが気付けるか。3日目までの反省を踏まえ、山梨学院が最終日の11位決定戦(対帝京長岡)でどのような戦い方を見せるか注目だ。
(文・写真=松尾祐希 )
▽サニックス杯ユースサッカー大会2021
サニックス杯ユースサッカー大会2021