立教新座 vs 東京成徳大深谷(写真=河野正)

 後半は立教新座もカウンターやサイドアタックから何度かいい形をつくって反撃。終了間際、MF河下楽が左からテンポよく持ち込み、強シュートを蹴り込んだが、DFに当たってCKに逃げられてしまう。

 東京成徳大深谷がやや優勢に立ち回ったものの、後半も両チーム無得点に終わり延長戦へもつれ込んだ。

 その前半2分だった。後半24分から送り込まれていたDF鈴木嵐の左ロングスローを増子がヘッドで後方にそらしてゴールイン。待望の決勝点が生まれた。

 さらに延長後半7分、ドリブルで進入した和光がペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得。これを自らゴール左隅に沈めてダメ押しとなる2点目を決めた。

 ベスト4入りは優勝した第61回大会以来2度目。この日不在の為谷洋介監督に代わって指揮を執った大野剛志コーチは、卒業生であり為谷監督の教え子でもある。「立教新座さんは技術が高く、後方でボールを動かしてくることは分かっていたが、全員が責任を持って練習通りに対応してくれた。前半から流れをつかめました」と監督代行としての任務を全うし、安堵の表情を見せた。

 1年生からセンターバックの主力として出場しているのが増子だ。2年前の全国高校選手権埼玉予選では、初戦となる2回戦で立教新座と当たり、0-2の完敗を喫した。増子とGK木村の2人がこの試合の当事者だ。

「あの時の借りを返したかったので本当にうれしい」と増子は満面に笑みを浮かべ、「耐える時間が長かったが、守備陣が(失点)ゼロベースでいけば、うちは攻めにも自信があるので大丈夫だと思っていました」と喜んだ。

【次のページ】 準々決勝 立教新座 vs 東京成徳大深谷(3)

▽令和4年関東高校サッカー大会埼玉予選
令和4年関東高校サッカー大会埼玉予選