前半13分には右サイドを抜け出したMF10西尾潤星(3年)がクロスを上げると、こぼれ球を狙った柴野がミドルシュート。34分には右CKから鈴木がヘディングシュートを放つなど米子北が相手ゴールに迫る回数が増えていく。後半開始直後には西尾が右サイドを仕掛けて入れたクロスが相手GKのファンブルを誘発。すかさずFW20佐野聖也(3年)が狙ったが、シュートは枠の上に逸れた。
以降はFW10久保原心優(3年)とFW20田中優成(1年)を同時投入し、攻撃のギアを入れた市立船橋に押し返される場面もあったが、後半13分には米子北にビッグチャンスが訪れる。「(相手の)CBは試合終盤に体力が落ちるとミーティングで話していたので、裏を狙いで続けていた」と話す柴野がロングボールを展開すると、相手DFが競り合ったこぼれ球に鈴木が反応。「ハイボールをDFが落とした瞬間、ゴールまでのイメージができていた」鈴木が強引にゴール前を抜け出し、放ったシュートが決まって均衡が崩れた。
1点リードを奪ってからは4バックから5バックに移行し、逃げ切りに成功。「まだまだ、うちは肩を並べるチームではないのですが、戦い方ややり方によって、こういう試合もできると証明できた」と城市総監督が笑みを浮かべた通り、上手く自らの土俵に持ち込んだ会心の試合展開で2大会ぶりとなるベスト4進出を引き寄せた。
(文・写真=森田将義)
▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)