逆境の先にあった歓喜 橘、土壇場でつかんだ準決勝進出

橘イレブン

 6月8日、梅雨入りを予感させる蒸し暑さが川崎のUvance等々力スタジアムを包むなか、令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選2次予選準々決勝で平塚学園と川崎市立橘(以下、橘)が激突した。試合開始が第1試合の延長によって25分遅れたが、その時間さえも両チームにとって、集中を研ぎ澄ます準備時間となったのかもしれない。橘は関東大会出場にあと一歩で惜しくも涙を飲んだ悔しさを胸に、平塚学園は前日、関東大会神奈川チャンピオン・法政二を破り、勢いに乗るチャレンジャーの気持ちを失わずにそれぞれが負けられない一戦に臨んだ。

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 試合は20分、平塚学園がオフサイドぎりぎりの縦パスに抜け出したMF14今出大翔が冷静に流し込んで先制すると、スタンドの空気は一気に揺れた。橘の森谷周平監督は「背後を取られるなって話してたんですけど、取られちゃって」と苦笑する。それでも、ベンチに戻った選手たちは「大丈夫だから」と声を掛け合い、気持ちを立て直した。

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▽令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選
令和7年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選