早稲田実業 vs 国士舘(写真=矢島公彦)

 次第に国士舘がボールを扱う時間が増えたが、早稲田実業は「僕らはひとりで止められないところとかもあるので、とにかく1対1じゃなくて、声とかカバーの部分で周りと繋がるみたいな、関わるみたいなところは徹底してやっている」とディフェンスリーダーの若杉泰希(3年)が言うように「繋がる」守備でトライし、決定的なチャンスは与えなかった。

 

 切り替わるポイントとなったのは後半だ。早稲田実業は14分、10番のMF戸祭博登(3年)が中盤から運び出し、右サイドに流れた久米のクロスにDFスミス聡太郎(2年)がヘディングで合わせ、23分には相手セットプレーの逆襲からこぼれ球に久米が右足でゴールに迫る。いずれも国士舘GK大阪竜也(3年)主将のセーブに遭い、ゴールとはならなかったが、2度の決定的なチャンスを創出すると、スコアが動いたのは25分だ。

 中盤での奪い合いで久米がつぶれてマイボールにすると、キャプテンのMF西山礼央(3年)は「柔らかいボール」を意識してファーへ送る。これに「クロスとか来た球をワンタッチでシュートに持って行くっていう力は自分の中でも得意なプレー」という1年生FWの竹内太志がファーサイドでジャンピングボレーで叩き込んで均衡を破った。

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▽第102回全国高校サッカー選手権東京予選
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