早大本庄 vs 獨協埼玉(写真=佐藤亮太)

 ただイレブンの気持ちもわからないわけではない。

 今季の早大本庄はリーグ戦で不振が続き、大会予選では初戦敗退が続いた。無難に済ませようとする弱気の虫が顔を出していた。

 しかし、早大本庄の目指すサッカーは人がつながり、人が関わるサッカーのはず。そう選手に改めて気づかせた。

 意気揚々、後半は始まったが……そう上手くはいかない。開始早々、カウンターからキレイに崩されての失点。出鼻をくじかれた。

 早大本庄イレブンに動揺は走った。しかしブレなかった。「自分たちのサッカーは関わり続けるサッカー。たしかに失点したがやってきたことを出していこうとした」と主将DF佐藤。

 その後、ベンチワークで選手を投入。なかでもFW20小野倖陽は持ち味のスピードで試合の流れを変える要因となった。「とにかく積極的に仕掛けて攻撃を活性化させたかった」と何度もサイドから進入した。

 また前線で起点となり、シュートチャンスを作ったFW9星野桜汰は「(攻撃だけでなく)守備でのブロック、クリアでも一丸になれた」と勝因を語った。

 こうして本来のサッカーを継続しながら、徐々に試合の流れを引き寄せ、トドメとなる3点目が決まった。

 試合を決定づけたMF14増田について篠田監督は「いつも良いポジションを取れる選手だが、これまでパスで終わっていた。コーチからも『お前が決めるんだよ』と言い続けた。それだけに、決められたのは彼の成長」と喜んだ。

 2-1から引き離しての勝利は今季、不調の本庄早大にとって価値あるものとなった。

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▽第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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