市立船橋vs大津(写真=松尾祐希)

 一方の大津は直近のプレミアリーグでも採用していた3-5-2で臨み、左ウイングバックに入る田辺幸久(3年)の攻撃力を生かす戦い方を採用。最前線に入る稲田翼(3年)をバックアップする形で主将・MF碇明日麻(3年/水戸入団内定)とMF古川大地(3年)がシャドーに入り、テンポの良いパス回しから攻撃を繰り出す。

 しかし、互いに強度の高いプレーを見せ、相手に付け入る隙を与えない。がっぷり四つの展開となるなか、先手を取ったのは市立船橋だった。前半23分、右サイドでFKを獲得。右SB佐藤凛音(3年)が少し前に蹴ると、太田が得意の左足を振り抜く。これが逆サイドネットに突き刺さり、セットプレーから先制点をもぎ取った。

 以降も睨み合う展開となり、前半は1-0で終了。しかし、試合は後半に入ると、一気に動き出す。

 ハーフタイムを迎えると、大津が一転してペースを掴む。碇を軸に仕掛けると、サイドから決定機が生まれる。すると、後半6分だ。FKの流れから碇がこぼれ球に反応。うまく相手を外して左足で流し込み、難易度の高いシュートを冷静に沈めた。これで勢いに乗った大津は16分にもチャンスをモノにする。田辺が左サイドからカットインすると、右足で逆サイドネットを射抜く。「利き足ではないシュートを練習していた」と振り返った通り、得意の左足を封じられて万事休すかと思ったが、逆足で豪快に決めて逆転に成功した。

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