「草加ってサッカーの学校だよね」を目指して。ベースを築く今年のチーム、2回戦・浦高戦は「周りを納得、説得出来るような試合を」

 前半はスコアレスで終えた中で草加は後半23分、FW本柳建(1年)のアシストから10番FW林奨真(3年)が流し込んで先制。しかし本庄もすぐに反撃に出て、それから10分後の33分にMF福島愛翔(2年)のキックから途中出場のFW吉田開(2年)が押し込んで同点とした。

 試合は10分ハーフの延長戦でも決着がつかず、勝負はPK戦へ。本庄はGK萩原雅偉(3年)が相手の2本目をストップしてみせたが、最終的に4-3で草加が勝利し、2回戦進出を決めた。

 草加は大会前にレギュラーGKが離脱。このメンバーでやったのは直近1試合のみという状況もあった中で「中盤で積極的に奪ってショートカウンター」(大森健司監督)と相手のウィークポイントを突きながら攻から守の切り替えの速さで勝負。そういった部分が出せた場面もあったが、最後の部分や運動量の不足から2人目、3人目の動きが出てこなかったりと課題もあった。

 それでも指揮官はゲームを壊さなかったことを評価。「よく1-1でしのいでいたなと。その点はよく出来た、頑張ったなと思います」と緊張のかかる初戦を勝ち上がった選手たちをねぎらった。

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 「(2回戦の浦和には)秋の練習試合でコテンパンに負けている。ただ試合をやった感覚というのは彼らは知っている。相手はどれくらいだという感覚はあるので、今日のサッカーをもう少しブラッシュアップして、積極的に奪ってショートカウンターという形が出せれば限りなく0には近いんですけど、勝機は0ではないと思います」とこの日の反省点を修正し、浦和戦に臨む。

 「頑張らせてあげたいし、なんとか2次予選に残って試合をやらせてあげたい。次のステージに行ったからこそ見えてくるもの、それはやっぱり行った子にしかわからないですから」。

 昨年からは大森監督が赴任。三郷北を部員13人の時代から県ベスト6に進むようなチームに育て、越谷南でも県上位をキープした指揮官にとっても草加での指導が最後の挑戦となる。「この6年でチーム作りをして次の方に引き継ぐ。僕もやっぱり東部で戦える学校にして次に来た方に頑張ってもらいたいなと思うし、「草加ってサッカーの学校だよね」というようにしてみたい。

 もちろんサッカーだけが人生じゃないので、サッカーも頑張りながらも進路も頑張ってというので、最終的には教員になってサッカーも教えたいですみたいな子も出てくれれば一番本望ですよね。それは教えるだけじゃなくて、運営方でもいいし、トレーナーでもいい。サッカーを大好きなまま卒業して、一生大好きなまま終わらせてあげたいなとこの20年くらいは思っています。若い時は勝ってなんぼで、がむしゃらでしたけど、やっぱり人生サッカーだけじゃないので。でも人生の中にサッカーがあると、この年になってもサッカーばかり見て、サッカーを楽しいし、オリンピックも楽しいしというふうになって、(人生が)豊かになるのかなというのは、ちょっとみんなにも言いながら頑張ってもらっています」。

 そしてそのチームを作るのはあくまでも選手たち。「本当に今いるこの3学年の子たちはベースを作ってくれている。この子たちがやっているさま、トレーニングもそうですし、試合を見て、あそこでやりたいねと、中学生は判断してくる。浦高戦はどこまでやれるのかというので、格好の(アピールの)場だと思うんですよ。もちろん勝ちたいですけど、やっぱり周りに見て、納得、説得出来るような試合をやりたい」と指揮官。チームの核で主将のMF渋谷柊(3年)を中心に臨む2回戦は結果はもちろん、今後に向けても大一番となりそうだ。

記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登

▽第100回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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