同点ゴールを決めた東海大相模FW10沖本陸(3年)(写真=矢島公彦)

 東海大相模は自陣まで持ち込まれながらもDF陣が落ち着いた守備対応を続け、失点を回避していたが、34分には竹花が上げた右CKから、DF4久保遼真(2年)にヘディングシュートを決められてしまう。追い掛ける展開を強いられた「先制されても、みんな焦っていなかったにも大きかった。失点後に具体的な指示はなかったのですが、自分たちで焦らず攻撃に攻撃できていた」と長井が振り返る通り、明秀日立に焦りの色は見られない。

 「やっぱ強度が高かった。最初、先に取られてこれは苦しいなと思っていたのですが、慣れてボールを動かしたかった。慌てて速く行こうとしていたので、少し止まってでもボールを回せば、相手は来ることができなくなるんじゃないかと思っていた」。そう振り返るのは有馬監督で、相手のプレッシャーに慣れ始めた前半半ばからは長井とMF7高畑旺崇(3年)のダブルボランチがテンポよくボールを動かしながら、タイミングよくサイドチェンジを入れて攻撃のリズムを作り始める。前半終了間際の40分には右サイドでのパス交換から開いてボールを受けた長井がゴール前にクロス。タイミングよく入っていったFW10沖本陸(3年)が頭で合わせて、同点で試合を折り返した。

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