大阪桐蔭が2-1で逃げ切り!試合終盤怒涛の攻撃をみせた金光大阪はあと一歩届かず惜敗
2点目の決勝ゴールを決めた大阪桐蔭9番FW高垣佑椰
高円宮杯 JFA U−18サッカープリンスリーグ2021関西の第9節が7月11日に大阪桐蔭生駒Gで行われ、前節三田学園に勝利し連敗を2で止めた3位大阪桐蔭と10位金光大阪の一戦は、後半2得点をあげた大阪桐蔭が金光大阪の反撃を1点に抑え2-1で勝利した。この結果、勝ち点3を手にした大阪桐蔭が暫定2位に順位を上げた。
「17名に絞り込んでいかないといけないのでどこまで出来るか見たかった」(永野悦次郎監督)インターハイに向けての選手選考の意味合いももった大阪桐蔭と、「今年はまだまだチームが出来ていない。プリンス残留に向けて戦えるチームを作っていきたい」(岩松哲也監督)チームの土台を作っている段階の金光大阪の試合。
序盤、押し気味にゲームを進めた大阪桐蔭だったが「インターハイのメンバーに選ばれる選ばれないもあって、勝てば2位、負ければ低迷していくということもあって緊張していたんだと思います」(永野監督)短いパスで攻撃を組み立てるも途中で焦ってミスをしてしまうシーンが目立ちフィニッシュまで持ち込むことが出来ない。大阪桐蔭は35分にスローインから右サイドを崩しボックス内で24番MF柳秀聖がフリーでシュートを放つも枠の上に外れてしまう。対する金光大阪は攻撃の形が作れないながらも守備陣が我慢強く対応し無失点で凌ぐ。
後半に入るとゲームの流れは金光大阪に。前線の10番FW小松勇輝にボールが収まり始め相手陣内に押し込む。すると56分、スルーパスにそのFW小松がDFの裏に抜け出しGKと一対一になり狙いすましてシュート。しかしここは12番GK須田遥斗のセーブに合ってしまう。
押されていた大阪桐蔭は途中出場の15番MF室勇志がボールを落ち着かせ攻撃のリズムを作る。すると59分、右サイド22番MF田中俊真のスルーパスに抜け出した16番FW中塚亮晴が「ファーストタッチで上手く相手の前に入れてGKが出てこなかったのでコースに流し込みました」とGKとの一対一を制しゴール。
プリンスリーグ初ゴールを決めた金光大阪の一年生18番FW太田陸斗
先制に成功した大阪桐蔭は更に65分、右CKから「いつもニアに入るんですけど、藤澤選手が蹴ったボールがいいところに来てくれたので合わせるだけでした」と9番FW高垣佑椰がニアで上手く合わせ追加点。しかし直後の3点目を狙った23番FW村上楓馬のループシュートは1番GK宮前壱爽のファインセーブに合いゴールならず。
するとここから金光大阪が反撃にでる。78分、スルーパスに対応した大阪桐蔭DF陣がゴール前で交錯したところを見逃さなかった途中出場の18番FW太田陸斗が抜け出しシュートをネットに突き刺した。
これで1点差に詰め寄った金光大阪は85分、右サイドを12番DF北川栄吉がドリブルで突破しマイナスのクロス。これにゴール前でフリーになった8番MF武仲勇海がボレーで合わせるも惜しくもゴール左に外れてしまう。そこからも一方的に攻め込むもあと一歩のところでゴールを奪えず試合終了のホイッスル。2-1で大阪桐蔭が逃げ切り勝利した。
勝利した大阪桐蔭はインターハイまで残す公式戦は未消化試合の興國戦のみ。暑さの中連戦が続くインターハイを見据え、この日は出場機会が少ない選手も試した。その中でもGK須田は随所に落ち着いたプレーを披露。シュートストップだけではなく足元で繋ぐ部分もアピール出来ていた。「ゲームをコントロール出来なかったのが課題です」と永野監督は厳しい表情で語ったが、内容が良くない中でも勝利出来た意味は大きいだろう。
敗れた金光大阪は終盤に迫力のある攻撃が展開出来た一方、前半に攻撃の形が作れなかったところが今後の課題になってくるか。「ゴールを決めた太田は一年生。今年の一年生はいい選手が揃ってます」(岩松監督)とFW太田が結果を残したのは朗報だ。金光大阪は未消化の2試合とその後参加する和倉ユース大会で後半戦を戦う土台を作りたいところ。去年の選手権準優勝時のような勝負強さをこれから身に着けられるかに注目したい。
(文・写真=会田健司)
▽高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ2021 関西
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